ゲーム禁止にするメリットって何もないよね?という話
こんにちは、わらしかです。
今年に入ってからも僕はゲームが楽しくて毎日やっているわけですが、香川県ではゲーム依存対策条例素案ということで、「ゲームは平日60分、休日90分のルール」を子供達に徹底させるそうです。大変な世の中ですね。
この記事の内容
ということで、ゲーム禁止にするメリットについて解説してみますが、ぶっちゃけメリットなんて1つも無くね?というのが僕の考えです。
1.ゲーム禁止にするメリットは無い【僕の理由を紹介】
ゲームを禁止にしたところでとりあえずメリットは無いよね?と考えてますが、理由は以下のような感じ。
- 結局、こっそりとゲームする子供が増えるだけ
- 暴力ゲームをしても、特に暴力的にはならない
- ゲームより死亡率が高いアルコール制限の方がよさそう
- ゲーム時間を制限しても、余った時間で勉強するわけじゃない
- ゲームの種類によって、脳に良い影響をもたらすものがある(ゲームをするメリットの方が大きい)
- というより、スクリーンタイムが長くても学業成績が下がらないことは科学的に証明されている
- じゃあ別にゲームやっても良いよね?
とりあえず、ゲーム禁止のメリットとして考えられそうな「学業成績の向上」や「暴力性の低下」などを否定してみました。
あと、制限したところでゲームはトイレでもできるし、大体の子供はこっそりプレイするんじゃないかなと思ってます。制限したって無駄ですね。
「ゲーム依存症」という症状自体が怪しい
香川県で提案されたゲーム禁止および制限条例は、ゲーム依存症やネット依存症の対策として盛り込んだ条例とのことですが、そもそもゲーム依存症っていう症状自体が、それって障害として認定してよかったの?と疑問に思ってます…。
例えばアメリカでは、2013年にオンラインゲームに関してアメリカ精神医学会が「インターネットゲーム障害」という記述を作成した事実はあるものの、実は「今後の研究のための病態」という話でして、インターネットゲーム障害は、公式の精神疾患として採用するには証拠が不十分であると判定されてます。
これには理由がありまして、下記の通り。
- とにかく、基準が曖昧すぎる
- ゲームにハマっても、大体の人は飽きてくる
- 飽きが来るものに「依存症」として扱ってよいのか?という問題
基準が曖昧だし、ゲームにのめり込んでしまっても、プレイし続ければ大体の人は飽きるしで、はたして「依存症」として扱って良いのか?という感じですね。
という感じで、僕は「ゲーム依存症」という症状自体が怪しいと思っているので、香川県のように「基準が曖昧な症状」にならぬよう対策するために条例の制定を目指すのは、いかがなものかと思ってます。
条例作るより、親が対策すればいいだけの話
結局はこれに尽きます。
ゲーム禁止とかって、どう見ても家族問題ですよね。
「ゲーム依存対策条例素案」は高校生以下の子供達を対象とした条例なわけですが、それならわざわざ条例を提案するより、親に呼びかけて依存症にならぬよう対策してもらえば良いんじゃない?という話ではないですかね。
家庭内で解決できる範囲であると思うし、わざわざ条例にすることもなさそうな気がします。
2.ゲーム禁止のメリットを科学的根拠2つで否定する
先程までは、あくまで僕の考え。
では、科学的にはどう捉えられているのか、これを紹介します。
データ1:スクリーンタイムと学業成績の関係
2019年に電子機器の影響に関するデータが掲載されてまして、かなり有効だったので紹介します。下記の記事です。
関連:Association Between Screen Media Use and Academic Performance Among Children and Adolescents
メタ分析とは …過去に行われた複数の研究結果を統合して、様々な角度から「比較」「分析」を行う研究方法のこと。1つの研究ではなく複数の研究結果から求めるため、結果のエビデンスレベルが高くなる。
データ内容と結果
過去30件のデータ(サンプル数は約10万人、4歳~18歳の子供を観察し調査したもの)をメタ分析した内容になっています。
どんな分析なのかと言うと↓
- スクリーンタイムと学問の成績は関連性があるのか?という疑問を調査
- PC、スマホ、テレビ、テレビゲームの使用時間と学業成績をチェック
- テストの結果とかと比較している
という感じです。なにせサンプル数の規模が大きいので、そこそこ質が良いデータかなと思います。
結果を見てみましょう↓
- 全体的にスクリーンタイムが長くても、子どもたちの学問の成績とは相関してなかった
- テレビを長く見る人は、テストの成績が低い傾向にあった
- テレビゲームのプレイ時間とテスト成績の低下と相関が合ったのは、10代の子供のみ。ただしそこまで影響していない
具体的な数値はデータ内容を参照して下さい。
とりあえず成績に限った話なら、テレビを見ないように注意したほうが良い感じがしますね。今だとYoutubeを見る子供が多い気がしますが…。
データ2:暴力ゲームと性格の関係性【攻撃的になるのか?】
こちらに関しても2016年に調査された内容があり、がっつり調べられています。
関連:Metaanalysis of the relationship between violent video game play and physical aggression over time
データ内容と結果
暴力ゲームと攻撃性に関する実験で、過去に行われたデータ24件をメタ分析した内容です。調査されたゲームはGTAとかポスタルといった、グロテスクな表現があり暴力性が高いゲームが主に選ばれているようです。
下記のようなゲームです。
ざっくり説明すると、GTAは「自由に犯罪するゲーム」で、ポルタルは「残虐ゲーム」という感じ。で、これらのゲームをやったら本当に他人へ暴力を振るうようになるのか?という疑問を調べてくれています。
ということでこの実験の結果は↓
- 暴力ゲームで攻撃性は増加する
- ただし、効果量は0.08
ということで、すっごい微妙な結果になってます。
確かに暴力ゲームで攻撃性は増えていると言えるものの、これって別に無視できるレベルじゃない?というような、微々たる数値なもので…。
まあ、この結果でいろんな主張ができることは間違いないですね。「ゲームは悪!」とも言えるし、「悪影響はほとんど無くね?」とも言えますからね。
科学的データからみても、結果は微妙
これが全て…ということではないですが、それにしても微妙です。
ゲームやっても悪い結果にはなっていませんね。
じゃあ「ゲーム禁止のメリット」ってなんだろう?って話です。
これらのデータを踏まえた上で、是非紹介してもらいたいものです。
3.まとめ
このように、ゲームを禁止にしたり制限するメリットってほぼ無いと思うんですよ。しかも、ゲーム依存症自体が怪しいし、多少ゲームしまくったところで勉学が少し悪くなるくらいですし、これだと、漫画読んで成績が悪くなったってことと殆ど同じですよね。
ゲーム依存症のための対策なんて必要なし。少しでも勉学に集中させるべくゲームを制限するなら、それは家族内でどうぞって話です。
むしろ制限されたほうがモチベーションは上がってしまうし、どうせやるなら飽きるまでやらせていたほうが、その後はスッキリして、いろんなことが捗るような気がします。
中にはパズル要素が多いゼルダの伝説とか、発想力や創造力で楽しくなるマインクラフトとかがありますからね。ゲーム全部を禁止にしたり制限する必要は無いのかなと。
香川県の条例もパブリックコメントを募ったうえで、その後の定例の本会議に条例案を提出する方針のようですし、ツイッター界隈では反対する声のほうが多いので、まあこの条例は通らない可能性のほうが高そうです。
個人的には、一回禁止にしてみてどんな行動や反応をするのか見てみたい欲望もありますが。。。